残価設定ローン(残クレ)は本当にお得? 隠れたデメリットを解説!
<出典 : http://newcar-life.jp/kuruma-okane/>
近年取り組みが増えてきている自動車ローンに残価設定ローン(残価設定クレジット 残クレ)が挙げられます。
残価設定ローンとは、新車の3~5年後の下取り価格を残価として設定し、その残価以外の残りの金額を分割で支払っていくというもので、
「通常のローンよりも月々の返済が○○円安い!」
「車検費用がかからない!」
「3年ごとに新車に乗れる!」
などの宣伝文句でメリットを押し出していますが、果たして残価設定ローンは本当にお得なのでしょうか。
ここでは、残価設定ローンの仕組みを詳しく説明するとともに、隠れたデメリットもしっかりとあぶり出していきたいと思います。
残価設定ローンの仕組み
残価設定ローンのイメージは以下のイラストの通りです。
<出典 : http://toyota.jp/request/payment/zanka/>
残価設定ローンは、車体価格の一部を残価として据え置き、その金額以外の残りの金額を頭金、および分割払いで支払っていきます。
例えば3年プランを選択し、残価が車両価格の40%の場合、残りの60%を頭金、および36回の分割払いにて支払うことになります。
支払っていくのは車両代金の60%だけなので、当然、月々の支払い額は通常の自動車ローンと比較すると少なくなります。
<出典 : http://toyota.jp/request/payment/zanka/>
そして、3年後に分割払いが終了したら、以下の3つの中から今後の選択を迫られることになります。
- 同じディーラーで新車に乗り換える
- 乗っている車を返却する
- 残価を支払い、乗っている車を購入する
新たな新車に乗り換える場合、もしくは乗っている車を返却する場合、車を手放すことになるため残価を支払う必要はありません。
しかし、乗っている車の残価を支払って購入する場合、現金で一括払いをするか、再度残価分のローンを組み直して分割払いで支払いをしていくことになります。
残価設定ローンのデメリット
確かに残価設定ローンを利用すると、月々の支払い額が抑えられるという、一見するとメリットに感じる部分もあるのですが、実はそれ以上に多くのデメリットがあります。
ここでは、残価設定ローンに隠されたデメリットについて見ていきたいと思います。
実は残価分にも金利がかかっている
残価設定ローンを組んだ際、残価以外の部分を分割払いで支払っていくため、この残価以外の部分のみに対して金利がかかっていると勘違いされている方がいますが、実は残価分にも金利がかかっています。
例えば、200万円の車を残価設定ローンで購入し、80万円が残価、残りの120万円を分割で支払う場合、120万円に対して金利がかかっているのではなく、200万円に対して金利がかかっているということです。
さらに、分割払いが終了し、そのまま乗り続けるためにその車を購入することを選択した場合、残価分を現金一括払いで支払うか、新たにローンを組んで分割払いで支払っていくことになります。
現金一括で支払うことができれば良いですが、月々の支払い額を抑えるために残価設定ローンを組むような方が百万単位の現金を用意できることは少なく、結局残価分のローンを新たに組むことになります。
となると、ここから80万円に対してまた金利がかかることになり、結局、総支払額は通常の自動車ローンを組んだ場合よりも高くなってしまうのです。
事故などによる追加料金(ペナルティ)のリスクが高い
残価設定ローンは、分割払いの支払いが終わったとしても残価が残っているため、その時点での車の所有者はディーラーです。
よって、もし車が「分割払い完了後に想定されている状態」を保つことができていなかった場合、追加料金(ペナルティ)を支払わなければいけません。
- 規定以上の走行距離を走った場合
- 事故を起こしてしまった場合
- キズや凹み、汚れなどがあった場合
- 改造(カスタマイズ)をしていた場合
上記のいずれの場合も、あらかじめディーラーが設定した残価格に対し、評価損が発生してしまう可能性があります。
もちろん、分割払いが終わった時に残価分を支払って車を買い取れば問題ありませんが、新車に買い換える場合や、車を返却する場合などは追加料金を支払った上で車を手放す必要があります。
残価設定ローンは、ディーラーの車を「借りている」状態、すなわちリース契約です。
人の車の価値を落としてしまったら、買い取るか弁償するのが当たり前ですが、残価設定ローンは人の車を3~5年間もの間「借りている」だけだということを覚えておかなければいけません。
大事に乗っても買取額はあくまで残価分のみ
走行距離が規定より多かったり、キズや凹みがあれば追加料金を取られますが、逆にとても大切に乗った場合はどうなるのでしょうか。
実は、この場合特に何かがあるというわけではありません。
例えば、走行距離も少なく、キズや凹み、目立った汚れなどがほとんどなかった場合でも、車を手放した際にお金が帰ってくるわけではないのです。
言い換えると、仮に車を手放す場合、大切に乗れば乗るほど、状態の良い車をディーラーに安く買い叩かれるということになります。
それならば普通の自動車ローンを返済した後、買取店に売ってしまった方がまだ良いですね。
残価設定ローンを組んではいけない人
これまで残価設定ローンの仕組みやデメリットについて解説してきましたが、少なくとも残価設定ローンが万人に勧められる程魅力のある商品ではない、というのがお分かりになったと思います。
そして、特に残価設定ローンを組んではいけないのは皮肉にも、ディーラーの営業マンが残価設定ローンを組むように勧めている層の人、すなわち、お金に余裕がなく月々の支払い額を少しでも下げたいと思っている人です。
なるべく安く車に乗る方法は、車を現金で買う、もしくはなるべく利息を払わずに自動車ローンを返済し、その後出来るだけ長くその車を乗り潰すことです。
上記で説明した通り、残価設定ローンを組んで後から車を買い取る場合、結果的に多くの利息を支払わなければいけませんので、目先の支払い額が少なくなる代わりに、トータルでは損をしてしまうのです。
お金がないから残価設定ローンを組んで月々の支払い額を減らす、という考え方ではなく、お金がないからこそなるべく利息を払わないで済む方法を考えるべきです。
目先の支払いが苦しいがために残価設定ローンを検討している場合、今買おうとしている車のグレードが、本当に自分たちの生活レベルに合っているかどうか、という事から考え直したほうが良いのかもしれません。
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