<出典 : https://www.zenjikyo.or.jp/>
自動車保険(任意保険)の代わりに、自動車共済への加入している、もしくは加入を検討している方もいるかもしれません。
マイカー共済やJA共済などの名前はよく耳にするとは思いますが、自動車保険と自動車共済はいったいどこが違うのでしょうか。
ここでは、自動車保険と自動車共済の違いについて解説していきます。
自動車共済は助け合いが目的
自動車共済最大の特徴は、自動車保険をのように営利目的で運営されている商品ではなく、共済組合に加入している人たちがお互いに助け合おう、という目的で作られたものだということです。
自動車保険が不特定多数の人を相手にした商売であるのに対し、自動車共済は、共済組合に加入している人だけに対して補償やサービスを提供します。
よく共済組合は公務員しか入れないといった勘違いをされている方がいますが、だれでも組合員になれる共済もあります。
(ただし、出資金や組合費が必要な場合もあります。)
有名なものとして、全労済(全国労働者共済生活協同組合連合会)が提供する「マイカー共済」や、JA共済連(全国共済農業協同組合連合会)が提供する「JA共済」、全国生活協同組合連合会(全国生協連)が提供する「県民共済」などがあります。
また、自動車共済と自動車保険では根拠となる法律が異なります。
自動車保険の場合は「保険業法」を法根拠としており、監督官庁は「金融庁」である一方、自動車共済の法根拠と監督官庁は各共済によってさまざまです。
例えば、全労済、県民共済は、「消費生活協同組合法」を法根拠としており、監督官庁は「厚生労働省」、JA共済は、「農林協同組合法」を法根拠としており、監督官庁は「農林水産省」となります。
自動車共済のメリット、デメリット
自動車共済の最大のメリットは、掛け金(自動車保険でいう保険料)が割安なことです。
先ほども述べましたが、自動車共済は営利目的ではなく相互扶助を目的としているため、利益や経費を抑えることができ、その分掛け金を安くすることができるのです。
一方デメリットとして、パッケージ化された商品が多く、自動車保険に比べると自由なカスタマイズが難しいということがあります。
また、自動車保険の場合は万が一保険会社が破綻しても、損害保険契約者保護機構が契約者の保護を行ってくれますが、自動車共済にはこのような仕組みはありません。
自動車共済は破綻をしないよう、それぞれの共済組合で十分な共済契約準備金を確保して安全な運用を心がけてはいますが、万が一破綻してしまうと、支払った掛け金が無駄になってしまう可能性もあります。
マイカー共済やJA共済などの大きな共済組合は破綻リスクは極めて小さいですが、中小の共済組合の場合は、その運用母体の信頼度をチェックしておかなければいけません。
自動車共済から自動車保険へ乗り換えする時の等級は?
中には現在自動車共済に加入しているが、自動車保険への乗り換えを考えているという方もいるかもしれません。
では、もし自動車共済から自動車保険へ乗り換えた場合、今まで上げてきた等級は引き継げるのでしょうか。
実は、自動車保険会社と共済組合の組み合わせによって、等級が引き継げる場合と引き継げない場合があります。
例えば一つ例を挙げると、ダイレクト自動車保険のチューリッヒの場合、全労済、JA共済、全自供、教職員共済から等級の引継ぎが可能です。
大手共済組合の全労済やJA共済などは基本的にどの保険会社でも等級の引き継ぎか可能ですが、教職員共済、共済連、全自供などや、その他中小の共済組合は、保険会社によって等級が引き継げる場合と引き継げない場合があります。
自動車共済で等級を上げてきていた方が自動車保険に乗り換える場合、等級を引き継げないとなると大幅に保険料が上がってしまいますので、できるだけ等級を引き継げる保険会社を探したほうが良いでしょう。